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AIに任せる

小さなお店のAI活用、何から始める?10年店を続けてきた私が、実際に任せた仕事

公開:2026年10月13日

閉店して、レジを締めて、片付けを終える。

お店の一日は終わっても、店主の仕事はまだ終わりません。

売上の集計、帳簿付け、スタッフの出勤管理、Instagramの投稿、ホームページの更新。

一つひとつはそれほど大きな仕事ではなくても、積み重なると結構な時間になります。

私も10年間、小さな店舗を続ける中で、こうした仕事をずっと抱えてきました。
休みの日に、たまった事務仕事を片付けることも珍しくありませんでした。

そんな私の仕事を少しずつ変えてくれたのが、AIです。

今では帳簿の入力や確認を手伝ってもらうだけでなく、店内の掲示物やInstagramの画像、ホームページづくりにも使っています。

この記事では、私が実際にAIへ任せた仕事と、小さなお店でAIを使い始めるなら何から手をつければよいのかを紹介します。

この記事でわかること

  • 小さなお店で、実際にAIを使っている仕事
  • AIを初めて使うなら、何から始めるとよいか
  • 自分のお店で、AIに任せられる仕事の見つけ方
  • AIに任せるとき、気をつけておきたいこと

帳簿付けに、何時間も費やしていた

私が特に苦手だったのが、帳簿付けです。

確定申告の期限は毎年3月。
わかってはいても日々の営業を優先してしまい、年が変わるころになって焦り始める。そんなことを繰り返していました。

大変だったのは、入力そのものよりも、数字が合わなかったときです。

通帳と帳簿の残高が合わない。どこで間違えたのかわからない。

明細と帳簿を一件ずつ見比べ、数字のずれを探していく。
それだけで何時間も過ぎていました。

帳簿付けは、お店のお金の動きを把握するためにも欠かせない仕事です。

ただ、数字のずれを探すことに何時間も費やすのが、本当に自分でやるべき仕事なのか。

その時間があれば、お客様への案内を考えたり、ホームページを改善したり、普段なかなか手をつけられない仕事を進められます。

そう考えて、AIに仕事を手伝ってもらうようになりました。

AIを使って、店の仕事はどう変わったか

AIを使うようになってから、少しずつ任せる仕事が増えていきました。

今、実際にどんなことに使っているのかを紹介します。

1.帳簿の入力と、合わない数字の確認

私がAIに任せた大きな仕事の一つが、帳簿付けです。

使っているのは、Claude CodeやCodexといったAIツールです。
どちらも、パソコンの画面を見てアプリを操作できます[1][2]。

これらを使い、明細を読み取って会計ソフトへの入力を進めたり、売上の記録や通帳、帳簿の数字を照らし合わせたりしています。

以前は、自分で一件ずつ確認していた数字のずれも、AIに調べてもらうことで、確認する場所を絞り込めるようになりました。

もちろん、AIが出した結果をそのまま信用するわけではありません。
元の明細を確認し、数字や処理が正しいかを確かめています。

それでも、最初から最後まで自分で探し続けていたころとは、作業の進め方が大きく変わりました。

詳しい方法は、別の記事で紹介しています。

こうした作業に使っているCodexは、私も最初から使い方を知っていたわけではありません。

使い方を学ぶときに参考にしたのが、Fujinさんの「Codexアプリの教科書」という教材です。

実際に購入して学んだもので、Codexを使ってみたい方は参考にしてみてください。

2.手書きの出勤簿をExcelにする

スタッフの出勤簿は、今でも手書きです。

以前は、その出勤簿を見ながら、勤務時間をExcelに打ち直していました。

今は、出勤簿を写真に撮ってAIに読み込ませ、Excelの表を作ってもらっています。

手書きなので、文字や数字が読みにくいところもあります。
AIが読み取れなかった箇所を確認し、必要なところを修正します。

出来上がった表も原本と照合しますが、すべてを最初から手入力する必要がなくなりました。

給与に関わる数字なので確認は欠かせませんが、こうした入力作業を手伝ってもらえるだけでも助かっています。

3.店内の掲示物やInstagramの画像を作る

私はデザインを専門的に学んだことがありません。

それでも今は、店内に貼るお知らせやInstagramの投稿画像を、AIを使って作っています。

伝えたい内容をAIに渡して、まずはデザインを作ってもらいます。
文字が読みにくければ配置を変えてもらい、色や雰囲気が合わなければ修正を頼みます。

最初から思い通りのものができるとは限りませんが、自分では作れなかったような画像を形にできるようになりました。

ただし、AIは画像の中の文字や数字を間違えることがあります。
店名、営業時間、日付、料金などは、必ず自分で確認するようにしています。

4.ホームページを作る、直す

ホームページづくりも、AIに手伝ってもらっています。

もともと私は、ホームページを作ったことなんてありません。

それでも、店舗集客にホームページは欠かせないと考えていたので、自分でも作ってみたいと思っていました。

そのときに参考にしたのが、ぞろ屋さんの「AIで作るホームページの教科書」です。

実際に購入し、教材を参考にしながらAIと一緒にホームページを作りました。

わからないことはAIに質問し、直したいところがあれば相談する。
文章の見直しやページの構成を考えるときにも使っています。

すべてが一度でうまくいくわけではありませんが、以前なら自分ではできなかったことに取り組めるようになりました。

こうして振り返ると、AIに任せている仕事は一種類ではありません。

帳簿のような事務作業もあれば、画像づくりのような制作の仕事もあります。

共通しているのは、これまで自分が時間をかけていた仕事の一部を、AIに手伝ってもらえるようになったことです。

最初から難しいことを任せなくてもいい

ここまで私の使い方を紹介しましたが、初めてAIを使う人に、いきなり帳簿の自動化をおすすめするつもりはありません。

会計ソフトへの入力やパソコンの操作をAIに任せるには、準備や確認が必要です。

もっと気軽なところから始めていいと思います。

まずは、AIに話しかけてみる

最初におすすめしたいのは、ChatGPTのようなAIと話してみることです。

例えば、商品の値段を上げるべきか、新しいサービスを始めるべきか、Instagramに何を投稿すればよいか。

一人で考えていることを、そのままAIに話してみます。

きれいな文章にする必要はありません。

「こんなことで困っているんだけど、どう思う?」

そんな話しかけ方でも大丈夫です。

AIに質問されることで、自分でも整理できていなかった考えが見えてくることがあります。

私は、答えを出してもらうためだけでなく、自分の考えを整理する相手としてもAIを使っています。

AIに何を話せばいいかわからないときは

例えば、こんな文章を入力してみてください。

AIに相談する文章の例

小さなお店を経営しています。営業時間が終わったあとも事務仕事が多くて困っています。

AIで手伝ってもらえる仕事を探したいので、私の普段の業務について質問しながら、一緒に整理してもらえますか?

これだけでも、会話を始められます。

AIから質問が返ってきたら、普段どんな仕事をしているのか、思いつくまま答えてみてください。

自分では当たり前だと思っていた作業が、実はAIに手伝ってもらえる仕事かもしれません。

自分の店では、何をAIに任せられるだろう

AIと話すことに慣れてきたら、次は普段の仕事を見直してみます。

ポイントは、毎日や毎月、同じように繰り返している仕事です。

例えば、こんな作業はないでしょうか。

お店での仕事AIに手伝ってもらえること
毎日の売上集計データの整理、表の作成、集計の補助
スタッフの勤務管理出勤簿の読み取り、勤務時間の集計
シフト作成希望休や必要人数などの条件をもとに、シフト案を作成
Instagramの投稿文章案や画像案の作成
店内のお知らせ案内文や掲示物の作成
毎月の報告書数字の集計、文章の下書き
お客様への案内よくある質問への回答文の作成

AIだけですべての作業が終わるわけではありません。
元になるデータを用意したり、完成したものを確認したりする必要はあります。

それでも、いつも自分でやっている仕事の一部を手伝ってもらえるだけで、負担は変わってきます。

何から任せればよいかわからなければ、普段の仕事をAIに伝えて、一緒に考えてみるのも一つの方法です。

AIに任せても、店主が決めることは残る

AIはとても便利ですが、使うときに気をつけたいこともあります。

AIの答えが、いつも正しいとは限らない

AIは、もっともらしい答えを返していても、間違っていることがあります。

数字を読み違えたり、存在しない情報を出してきたりすることもあります。

特に、帳簿や給与、料金の案内などは、間違えると困る仕事です。

私は、AIに作業を手伝ってもらっても、最後は必ず自分で確認するようにしています。

また、お客様の個人情報やスタッフの給与情報などを扱う場合には、利用するAIサービスのデータの取り扱いを確認することも必要です。

便利だからといって、何でもそのまま渡してよいわけではありません。

自分に都合のいい答えばかりにならないようにする

もう一つ、私が気をつけていることがあります。

AIと何度も話していると、こちらの考え方や好みを踏まえた答えが返ってくるようになることがあります。

お店で大切にしていることを毎回一から説明しなくて済むのは、とても便利です。

ただ、自分の考えに合った答えが、必ずしも正しい答えとは限りません。

例えば、新しいサービスを始めようか迷っているとき。
AIが「いいと思います」と言ってくれても、それだけでは判断できません。

そんなときは、

と聞くようにしています。

AIには、自分の考えを後押ししてもらうだけでなく、見落としていることを指摘してもらう役割も期待しています。

でも、最後に決めるのは自分です。

お客様のことも、お店の事情も、すべてをAIが知っているわけではありません。

仕事を手伝ってもらうことと、お店の判断まで任せてしまうことは違う。

そこは忘れないようにしたいと思っています。

まずは、今日の仕事を一つ相談してみる

AIというと、特別な知識が必要だったり、難しい操作を覚えたりしなければならないイメージがあるかもしれません。

確かに、本格的な自動化には知識や準備が必要なこともあります。

でも、最初からそこを目指さなくても大丈夫です。

まずは、日々の仕事で困っていることを一つ、AIに話してみる。

お知らせの文章を考えてもらうのでも、毎月の集計を楽にする方法を相談するのでもかまいません。

試してみて、使えそうなら少しずつ仕事に取り入れていく。

私も、まだまだ試している途中です。

大切なのは、新しい技術を使うこと自体ではなく、自分の仕事や暮らしが、少しでも楽になることではないでしょうか。

閉店後に残っている仕事が、一つでも減る。

それだけでも、始める価値はあると思っています。

よくある質問

パソコンが苦手でもAIを使える?

まずAIに相談するだけなら、専門的な知識がなくても始められます。

ChatGPTなどにはスマートフォンからも使えるサービスがあり、普段の言葉で質問できます[3]。

ただし、会計ソフトへの入力やパソコン操作の自動化などは、使うツールによって準備や操作の難しさが異なります。

最初は文章づくりや相談など、簡単な使い方から試すのがおすすめです。

AIを使うにはお金がかかる?

ChatGPTなどには無料で使い始められるプランがあります[3]。

一方で、利用できる機能や回数に制限があったり、高度な機能には有料プランが必要だったりします[3]。

まずは無料で使える範囲から試して、自分の仕事に役立ちそうだと感じたら、有料プランを検討してもよいと思います。

料金や利用条件は変更されることがあるので、申し込む前に各サービスの公式サイトで確認してください。

AIに仕事を任せたら、確認しなくてもいい?

確認は必要です。

AIは入力内容を読み違えることも、計算や判断を間違えることもあります。

特に、お金や個人情報に関わる作業では注意が必要です。重要な情報を入力する前には、利用するサービスの設定やデータの取り扱いも確認してください。

AIには作業を手伝ってもらい、結果が正しいかどうかは人が確かめる。私はそのように使っています。

まとめ|自分の時間を、少しずつ取り戻すために

10年間お店を続けてきて、仕事は次から次へと増えていくものだと感じています。

新しいことを始めたいと思っても、日々の仕事に追われて、なかなか手をつけられない。

そんな中で、AIは私にとって、仕事のやり方を見直すきっかけになりました。

お店を続けていくうえで、本当に時間を使いたいことは何だろう。

お客様と話すことかもしれませんし、新しいサービスを考えることかもしれません。
あるいは、仕事を少し早く終えて、ゆっくり休むことかもしれません。

AIを使うことが目的ではなく、その時間をつくるための手段の一つとして。

まずは、今日の仕事を一つ相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。

出典

確認日:2026年10月11日・13日

  1. Anthropic「Let Claude use your computer from the CLI」
  2. OpenAI「Computer Use」
  3. ChatGPT「料金」